卒業までに、俺を好きになってくれないか

江梨奈

【江梨奈】




瀬奈が、突然の海外出張の為

おばさんの家に1週間帰ることになってた

宮原君の部屋を出て

玄関に置いといた荷物を持つと

病人ファッションに戻る

泣きながら、電車に乗った事を伝えると

駅におばさんが迎えに来てくれていた


おばさんの姿を見ると、私は大泣きした





たくさん泣いた



「学校辞めたいよぉーーうえーーーん」



おばさんは、私の背中を撫で



「せっかく友達が出来たんでしょ!?
友達ってのは、困った時に助け合うのよ
ほら、携帯鳴ってるわよ?」


スマホをカバンから出した途端

鳴りやむ


見ると、着信が10件


〝連絡ください〟

〝江梨奈ちゃん!大丈夫?〟

〝宮原君、驚いてたみたいで
もう一度、ちゃんと話そう!!〟

〝4人で話そう!!〟

〝江梨奈ちゃん!!返事ください!!〟


メッセージも5件



「おばさん、横にいてあげるから
電話しなさい!」



涙を拭いて、鼻水とって

深呼吸した



耳にプルプルと聞こえ

ドキドキした


『もしもし!江梨奈ちゃん!!
今どこ!?大丈夫?』


「成美ちゃん、私は、大丈夫
おばさんの家だよ…
宮原君を傷つけちゃって……
私… もう、許して貰えないよ
学校、辞めたい……」


『江梨奈ちゃん!!
学校辞めないで!!一緒にお花育てるって
約束したじゃない!!
宮原君は、ちょっとパニックになっただけ
全然、大丈夫だから!!』


「それでも……私は、私を許せない」


『おばさんの家って、どこ?
私、そっち行くから!!
ちゃんと、話そう!!』


「……」


『江梨奈ちゃん!!』


「月曜日 一緒に、ご飯食べてくれる?」


『何言ってるの?ずっと、一緒にたべよ』


「成美ちゃん、私…少しづつしか
進めそうにないの
私…  ごめんなさい」


怖くて、怖くて…

涙が溢れた


泣いてることを悟られたくなくて


口を手で抑えた



おばさんが、私のスマホをとり


スピーカーにした



「成美ちゃん!こんにちは!
江梨奈がお世話になってます!」


『こんにちは!こちらこそです!!
おば様、江梨奈ちゃん大丈夫ですか?』


「ありがとう
貴方のおかげで、大丈夫そうよ
これからも、仲良くしてね!」


『もちろんです!!』


「また、月曜日によろしくお願いします」


『はい!江梨奈ちゃんによろしく
お伝えください!!』






成美ちゃんは、本当に素敵だ


こんなに素敵な子が



私の友達1号だなんて、もったいなさすぎ




成美ちゃんが、困った時


私も成美ちゃんを助けてあげたいな












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