忘れられた塔
*
蒼白い月が暗く寂しい部屋を照らします。
窓辺に佇むーー白い少女。少女の瞳から一筋の涙が流れ。
「“シオン”は?」
「“花束はないけど。君が望む場所へ、還ろう”」
一輪の花を旅人が差し出します。シオンの花を。
「“ああ……約束の花。これでやっと、貴方の元に還れるのね……”」
「……ああ」
窓辺に佇むーー白い少女。少女の瞳から一筋の涙が流れ。
「“シオン”は?」
「“花束はないけど。君が望む場所へ、還ろう”」
一輪の花を旅人が差し出します。シオンの花を。
「“ああ……約束の花。これでやっと、貴方の元に還れるのね……”」
「……ああ」