忘れられた塔
*
哀しい真実。
ひとり取り残された姫君はようやく、永い孤独から解放されたのです。
「ーー魔法でシオンの花束を出せたけど、オレは彼女の騎士じゃない」
塔から蒼白い月を眺める旅人の手の中には、シオンの花が一輪。
花しか出せないこんな魔法でも役に立っただろうか?
それを知る術はもう何処にもないけど。
旅人はいつまでも月を眺めていましたーーーー
ひとり取り残された姫君はようやく、永い孤独から解放されたのです。
「ーー魔法でシオンの花束を出せたけど、オレは彼女の騎士じゃない」
塔から蒼白い月を眺める旅人の手の中には、シオンの花が一輪。
花しか出せないこんな魔法でも役に立っただろうか?
それを知る術はもう何処にもないけど。
旅人はいつまでも月を眺めていましたーーーー