カタブツ上司に愛された結果報告書
「はい、美海ちゃんの好きなピーチティー」

「……すみません、ごちそうさまです」


腕を掴まれたまま連れ出されたため、お財布など持ち合わせておらず、真由子さんに奢ってもらってしまった。


今の時間、休憩スペースを使用している社員はおらず、真由子さんが買ったカフェオレが自販機から出てきた音が、異様に大きく響き渡った。


カフェオレを手に近くに席に着いた真由子さんに続き、隣の席にそっと腰掛ける。


缶のプルトップを開けお互い一口、口に含むと真由子さんはここに連れ出した理由を切り出した。


「それで? 最近ミスしてばかりの理由はなんなの?」

「え……」


キョトンとしてしまうと、真由子さんは苛立ったように顔を近付けてきた。


「バレていないとでも思っているの? なにかあったから最近ミスしてばかりなんでしょ? それに気づくと仕事中にもかかわらず、上の空状態なことが多いし! ……どうしたのよ、悩みがあるなら聞くけど?」

「真由子さん……」


二年もの間、面倒を見てもらってきたからか、真由子さんには私の変化にはすぐに気づかれてしまうようだ。
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