カタブツ上司に愛された結果報告書
報告書⑦『予想外な本音を聞いてしまった件について』
「ヒビ……ですか?」

「はい、よく一晩我慢できましたね。とにかく入院してください」


え、嘘でしょヒビ? ……入院!?

医師の話にテンパるばかり。



昨夜、バカみたいにヒールで走って転んで足を痛めてしまった。


どうにかタクシーに乗り込み帰宅し、湿布を貼って寝れば痛みも落ち着くだろうと、安易に考えていたのが間違いだった。


今朝起きたら昨夜以上に痛みが増しており、なにより腫れ上がってしまっていたのだ。


さすがにこれでは仕事に行けないと判断し、病院へ行ってから出勤することを真由子さんに連絡し、いざ病院を訪れたものの……まさかの入院宣告に絶句してしまう。


「滑川さん、聞いていますか? 入院手続きなどについて、看護士から説明がありますので一度待合室でお待ちください」

「はっ、はい……」


いまだに混乱する中、どうにか返事をし言われるがまま診察室を後にした。
< 123 / 163 >

この作品をシェア

pagetop