カタブツ上司に愛された結果報告書
「じゃあ後で灯里ちゃんにお礼を言わないとですね」
口元を緩ませながらどうしても弾んでしまう声で言うと、田中さんは一瞬間を置いたあと照れ臭そうに「そうですね」と囁いた。
「でもまずは早く足を治すことです。それからでないと灯里さんにお礼を言うことはもちろん、私もあなたになにも出来ず、非常に困りますから」
「……へ?」
随分間抜けな声を漏らしてしまうと、彼は「フッ」と笑い、少しだけ私の身体を離して顔を覗き込んできた。
そしていつものように感情の読めない表情で淡々と言った。
「怪我されているのに無理させられませんし。しかしシチュエーション的にはいいのかもしれませんね。病室というのがまたそそられます」
「なっ……!」
ボンッと音が出たように、一気に顔を真っ赤にさせてしまった私を見て、田中さんは口元を緩ませた。
ロボット人間の笑顔ほど、破壊力抜群な凶器はないのかもしれません。
口元を緩ませながらどうしても弾んでしまう声で言うと、田中さんは一瞬間を置いたあと照れ臭そうに「そうですね」と囁いた。
「でもまずは早く足を治すことです。それからでないと灯里さんにお礼を言うことはもちろん、私もあなたになにも出来ず、非常に困りますから」
「……へ?」
随分間抜けな声を漏らしてしまうと、彼は「フッ」と笑い、少しだけ私の身体を離して顔を覗き込んできた。
そしていつものように感情の読めない表情で淡々と言った。
「怪我されているのに無理させられませんし。しかしシチュエーション的にはいいのかもしれませんね。病室というのがまたそそられます」
「なっ……!」
ボンッと音が出たように、一気に顔を真っ赤にさせてしまった私を見て、田中さんは口元を緩ませた。
ロボット人間の笑顔ほど、破壊力抜群な凶器はないのかもしれません。