カタブツ上司に愛された結果報告書
綺麗に一礼すると、なぜか私を見据える田中さん。
すると代表のいる前で、とんでもないことを言い出した。


「いいですか? 代表に変なことをされましたら迷いなくナースコールを押してください」

「へ?」

「おいこら田中! なんだそれは!!」

「いってまいります」


代表に再度小さく頭を下げると、静かに病室を出て行ってしまった。


ドアが閉まると代表は「ったく……」と呟きながら、ベッドサイドにある椅子に腰を下ろした。


目線は同じ位置になり一気に縮まってしまった距離に、緊張を隠せない。

おまけに代表、なぜか食い入るように私を見てくるし。

どこを見たらいいか困り果ててしまい、視線を泳がせてしまう。


「怪我の具合はどうなんだ?」

「あっ、はい。順調に回復しています。……すみません、突然長期のお休みをいただく形になってしまって」


頭を下げるとすぐに「気にするな」と言ってくれた。

「ひとつ聞いてもいいかい?」
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