カタブツ上司に愛された結果報告書
えっと、なにこれ。

どうして代表はこんなに田中さんのことをけなしてくるの? それとも私じゃ田中さんには不釣り合いだと遠回しに言いたいのだろうか?


「俺が女だったら、死んでも付き合いたくない男だ! 悪いことは言わない!! 田中との交際について、今一度考えなおした方がいい」


そんなことを思ったものの、どうやら違ったらしく本気で代表は私を心配しているようだ。

真面目に力説されちゃったけれど、でもいくら代表に言われたからって、これだけは譲れない。


いまだに真剣な瞳で私を捉える代表に向き合い、自分の気持ちを伝えていった。


「あの、私にとって田中さんは世界で一番素敵な方です。皆さんは田中さんのことをロボット人間って呼んでいますが、本当の田中さんは違います。優しくて感情豊かで。……私はそんな田中さんが大好きなんです」


素直な気持ちを伝えると、代表の表情は一変。驚愕し目を大きく見開いた。


「なっ、滑川さん……っ! キミは女神だ!! あんな男をそこまで寛容に受け入れてくれるとは……!!」

「いいえ、そんな……っ」


「俺には死んでも真似できないことだ! 人の気持ちを考えずバッサバッサ斬り捨てるアイツを好きになるとか。……想像もできん」


本当に想像しちゃったのか、身震いする代表に呆気にとられてしまう。
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