カタブツ上司に愛された結果報告書
注文した定食を食べながら、仕事の話などをしているときだった。


「それはよかったわ。それにしても最初聞いた時は驚いたわよ、ヒビがはいって入院とか」

「アハハ……ですよね」

苦笑してしまう。


真由子さんの言うことは最もだ。
誰だって驚くに決まっているよね。何より自分自身が一番驚いたし。


「それとまさか夢にも思わなかったわ。あのロボット人間と美海ちゃんが付き合っていたとか。会社中に激震が走ったのよ?」


その時を思い出すように真由子さんは頬杖をつき、深く息を吐いた。


そうなのだ。
私と田中さんが付き合っていることは、あっという間に会社中のみんなに知れ渡ってしまった。
それというのも――。


「びっくりしたなぁ。あのロボット人間に取り乱して美海ちゃんのことを、詳しく聞かせろとせがまれたときは」


もう何度も真由子さんからこの話を聞いているけれど、何度聞いてもその度にドキッとしてしまう。


「入院先を伝えたら、代表の制止を振り切って飛び出して行ったんだから。あの日はみんな仕事が手につかなくなったわよ」
< 153 / 163 >

この作品をシェア

pagetop