カタブツ上司に愛された結果報告書
呆れたように話す真由子さんには悪いけど、私はこの話を聞くたびに嬉しくて堪らない。


「もー! 幸せそうな顔しちゃって!! ひとり身の私には美海ちゃんの嬉しそうな顔が妬ましい!」


どうやら嬉しさは抑え切れず顔に出てしまっていたようで、真由子さんはジロリと睨んできた。


「えっと……すみません」


咄嗟に謝ってしまうも、ますます真由子さんは鋭い眼差しを向けてきた。


「謝るな! ますます自分が惨めに思えてしまうでしょ? でも美海ちゃんが幸せなら私も嬉しいよ。……まぁ、その相手があのロボット人間だってことが信じられないけど」


そう言うと真由子さんはなぜか声を潜め、問いかけてきた。


「ねぇ、本当に彼でいいの? 美海ちゃんならいくらでも他に相手がいると思うんだけど……」


これも何度も聞かれている質問。
もちろん真由子さんだけにではなく、会社の人達みんなに。


そのたびに私はこう答えている。

「田中さんほど素敵な男性は他にいません」って――。
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