カタブツ上司に愛された結果報告書
「私もいまだに耳にしているよ。美海ちゃんが田中さんと付き合っている怪奇現象について」

「怪奇現象って……」


次の日の昼休み終わり。

コンビニに行くと言う真由子さんと別れ、オフィスに戻ろうとしていたときだった。
同じくオフィスに戻る灯里ちゃんと鉢合わせたのは。


エレベーターを待っている中、話題はやはり田中さんのことになってしまう。


「みんな言っているよー。すぐに別れると思ったのに、まだ付き合っているのが謎だって」

「……失礼しちゃうなぁ」


会社でロボット人間なんて呼ばれている田中さん。


いつも感情の読めない表情で淡々と話し、仕事は完璧でミスを起こさない。

そんな彼だからこそ、みんなに誤解されている部分が多々ある。


本当の田中さんはロボット人間じゃない。

優しくて感情豊かで、素敵な人なのに。
そんな人と別れるとかありえない話だ。少なくとも私からは絶対に!!


「でも私は、そんなこと思っていないからね」

「――え」

ちょうど辿り着いたエレベーターに乗り込むと、灯里ちゃんは得意気に言った。
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