カタブツ上司に愛された結果報告書
「えっ！　まっ、まさか呑みに……ってことですか？」


顔を引きつらせながら問いかけると、すぐに「当たり前でしょ？　今日はヤケ酒するんだから」と意気揚々と話されるも、今夜のことを考えると頭が痛くなってきてしまう。


真由子さんはいい先輩だ。お姉ちゃんみたいな存在だし。……でもアルコールが入るともう手に負えなくなってしまうのだ。


本人もそれを重々承知しているから、会社の飲み会では加減して付き合い程度に呑んでいるけど……完全プライベートとなると話は別。

特に嫌なことがあったときのヤケ酒は、想像を絶する酒乱っぷりなのだ。


仕事で嫌なことがあった真由子さんの愚痴に付き合うため、入社して数ヵ月の私は知らずに居酒屋まで付き合ったわけだけど……。

あの日のことは、今でも鮮明に覚えている。

誰かれかまわず悪態をつき始め暴れまくり、最後にはトイレへ駆け込み熟睡。

彼女をひとりで介抱した私は居酒屋にいるのに、まるで地獄にいる錯覚を覚えたほどだ。


「じゃあ真由子さんの家で飲みましょうか」

顔を引きつらせたまま努めて笑顔で提案するも、渋い顔をされてしまった。
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