カタブツ上司に愛された結果報告書
「よいしょっと。これでよし」


定時で仕事を終え、スーパーによってお酒やおつまみを購入後やって来たのは、真由子さんの自宅アパート。

そこで早速ふたりっきりの飲み会が始まったわけだけど、開始二時間で真由子さんはダウン。

「まぁ、これだけ飲めば当然か」


酔い潰れてしまった真由子さんを寝室に運び、空き缶やごみを片づけながらひとり言を呟いてしまう。


あんなこと言っていたけど、彼氏さんのこと本気そうに見えたし。

本当はショックだったんだよね。悲しい気持ちを紛らわすのにアルコールの力を借りたようにしか見えなかった。

片づけを済ませ、呑む前に合鍵を預かっていたのでそれで施錠し、そっと真由子さんの自宅を後にした。


比較的お店が建ち並ぶ立地にある真由子さんのアパート。

夜の十時を過ぎようとしているけれど、これだけ人通りが多ければひとりでも帰れる。


そういえば私も、よく振られるたびに友達に付き合ってもらっていたっけ。

田中さんを好きになって二年、すっかり振られることにはご無沙汰だけど。
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