カタブツ上司に愛された結果報告書
私の思考を読み取るように問いかけてきた彼に、堪らず振り返ってしまう。
目が合うと田中さんは小さく息を漏らした。
「呆れますね、まさか私の気持ちがそれほど薄いものだと思われていたかと思うと」
「だってそうじゃないですか!? 一週間も経つのに、挨拶を交わすだけの関係なんですよ? 不安になって当たり前です!」
咄嗟に自分の気持ちをぶつけてしまった。
でも言わずにはいられないよ。
田中さんの気持ちが分からないもの。
眼鏡の奥に見える瞳が大きく見開かれるのが分かったけれど、一度口から出てしまった気持ちは止まらない。
「あの日は舞い上がっちゃっていましたけど、今の私と田中さんの関係は以前となにも変わらないじゃないですか! 連絡先も知らないですし、これじゃ付き合っているって言えません!」
そうだよ、これじゃ付き合っているとは言えない。
田中さんは代表の秘書で、私はただの平社員の関係のままだ。
「そもそもどうして付き合いませんか?って言ったんですか? 田中さんが私のこと好きだなんて到底思えません! 言葉を交わしたのも二年前じゃないですか。それ以降会社で会っても挨拶するだけでしたし……どうして私なのか分かりません」
目が合うと田中さんは小さく息を漏らした。
「呆れますね、まさか私の気持ちがそれほど薄いものだと思われていたかと思うと」
「だってそうじゃないですか!? 一週間も経つのに、挨拶を交わすだけの関係なんですよ? 不安になって当たり前です!」
咄嗟に自分の気持ちをぶつけてしまった。
でも言わずにはいられないよ。
田中さんの気持ちが分からないもの。
眼鏡の奥に見える瞳が大きく見開かれるのが分かったけれど、一度口から出てしまった気持ちは止まらない。
「あの日は舞い上がっちゃっていましたけど、今の私と田中さんの関係は以前となにも変わらないじゃないですか! 連絡先も知らないですし、これじゃ付き合っているって言えません!」
そうだよ、これじゃ付き合っているとは言えない。
田中さんは代表の秘書で、私はただの平社員の関係のままだ。
「そもそもどうして付き合いませんか?って言ったんですか? 田中さんが私のこと好きだなんて到底思えません! 言葉を交わしたのも二年前じゃないですか。それ以降会社で会っても挨拶するだけでしたし……どうして私なのか分かりません」