カタブツ上司に愛された結果報告書
話の途中で次第に田中さんの顔が見られなくなってしまい、言い終わる頃には完全に床を見つめてしまっていた。
けれど田中さんに伝えた言葉に嘘はない。全て本音。
どう考えても分からない。
舞い上がってばかりだったけれど、考えれば考えるほどあの日のことが夢だったんじゃないかって思ってしまうもの。
でも田中さんは冗談じゃないって言ってくれた。……それなら聞かせてほしい。
「田中さんの本音……ちゃんと聞かせてください」
下を向いたままボソッと囁くように言うと、すぐに田中さんは大きな溜息を漏らした。
それだけで身体が大きく反応してしまう中、田中さんは呆れたように吐息交じりに語り出した。
「申し訳ないですが、三十三歳にもなると若い頃のように気軽に「付き合って欲しい」などと、言えなくなるものなのですよ? ましてやお相手が九つも下のあなたなのですから」
掴まれた腕の力が強まった瞬間、トクンと胸が鳴ってしまう。
ゆっくりと顔を上げれば、眼鏡の奥には真剣な瞳が私を捉えていた。
それだけで胸がギュッて苦しいくらい締め付けられてしまう。
ただ、見つめられているだけなのに――。
けれど田中さんに伝えた言葉に嘘はない。全て本音。
どう考えても分からない。
舞い上がってばかりだったけれど、考えれば考えるほどあの日のことが夢だったんじゃないかって思ってしまうもの。
でも田中さんは冗談じゃないって言ってくれた。……それなら聞かせてほしい。
「田中さんの本音……ちゃんと聞かせてください」
下を向いたままボソッと囁くように言うと、すぐに田中さんは大きな溜息を漏らした。
それだけで身体が大きく反応してしまう中、田中さんは呆れたように吐息交じりに語り出した。
「申し訳ないですが、三十三歳にもなると若い頃のように気軽に「付き合って欲しい」などと、言えなくなるものなのですよ? ましてやお相手が九つも下のあなたなのですから」
掴まれた腕の力が強まった瞬間、トクンと胸が鳴ってしまう。
ゆっくりと顔を上げれば、眼鏡の奥には真剣な瞳が私を捉えていた。
それだけで胸がギュッて苦しいくらい締め付けられてしまう。
ただ、見つめられているだけなのに――。