カタブツ上司に愛された結果報告書
え、田中さん……? 今、なんとおっしゃりました?
間違いでなければ、注意事項なんて単語が聞こえてきた気がするのですが。
「どうぞ」
「あっ、はい」
引きつりそうになる顔でどうにか受け取ったことを確認すると、田中さんは腕時計で時間を確認し始めた。
「すみません、すぐに戻り代表の脱走を阻止しなければなりませんので失礼します。なにかありましたらご連絡を」
「え、あのっ……!?」
一方的に言うと、田中さんは階段を駆け上がって行ってしまった。
途中で革靴の音が止まると、ドアを開ける音が聞こえてきてすぐに閉まる音が響いた。
きっと二階まで非常階段で向かい、そこからエレベーターでオフィスへと戻って行ったのだろう。
けれどあまりにあっさり去って行かれたものだ。
それに――。
おもむろに見てしまうのは、田中さんに渡された一枚の紙。
彼らしく綺麗に折りたたまれている。
連絡先を教えてもらえたのは嬉しいけど、注意事項って一体なんだろう……?
間違いでなければ、注意事項なんて単語が聞こえてきた気がするのですが。
「どうぞ」
「あっ、はい」
引きつりそうになる顔でどうにか受け取ったことを確認すると、田中さんは腕時計で時間を確認し始めた。
「すみません、すぐに戻り代表の脱走を阻止しなければなりませんので失礼します。なにかありましたらご連絡を」
「え、あのっ……!?」
一方的に言うと、田中さんは階段を駆け上がって行ってしまった。
途中で革靴の音が止まると、ドアを開ける音が聞こえてきてすぐに閉まる音が響いた。
きっと二階まで非常階段で向かい、そこからエレベーターでオフィスへと戻って行ったのだろう。
けれどあまりにあっさり去って行かれたものだ。
それに――。
おもむろに見てしまうのは、田中さんに渡された一枚の紙。
彼らしく綺麗に折りたたまれている。
連絡先を教えてもらえたのは嬉しいけど、注意事項って一体なんだろう……?