カタブツ上司に愛された結果報告書
報告書⑥『本音を言えない問題について』
「美海ちゃん、KP会社の提案書の〆切明日までだけど、もう終わりそう?」

「……えっと、明日まで……でしたっけ?」


いつものオフィス。
パソコンに向かって作業中に真由子さんに確認された途端に、サッと血の気が引いていく。


慌てて仕事用の手張を取り出し確認すると、真由子さんの言う通り〆切は明日になっていた。


「もしかしてまだ終わっていない、とか?」


恐る恐る聞いてきた真由子さんに、慌てて頭を下げた。


「すみません!!  明日までには絶対に終わりにしますので!」


もうやだ、どうして最近の私はこうダメなのだろうか。
ミスしてばかりだ。


もう一度謝罪し、急いで取り掛かった。



田中さんと灯里ちゃんの会話を盗み聞きした日から、早二週間が過ぎた。

田中さんは相変わらず忙しいようで、社内で見かけても忙しなく働いている。


なかなか自分から連絡できずにいたけれど、何度か田中さんからメールがきた。

それは【元気ですか?】とか当たり障りないもので、一言二言だけやり取りをして終わってしまうものばかり。
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