電話番が一番偉そうな探偵事務所
僕と小林さんがそんな事を話してたら

"リーン、リーン"

「あ、あの〜麻希ちゃん…電話…鳴ってますよ」

恐る恐る小林さんに電話に出る事を遠回しに要求する所長…

もはやこの人に威厳なるものは存在しない。

「ったく…電話ぐらい出りゃいいのに…」

ぶつぶつ言いながら小林さんは本業の電話番に戻り受話器を取り上げる。

「はい蓮池探偵事務所です」

僕は、やっと小林さんから解放されて一息ついてたら

「陸っ仕事だよ。ギロチン行ってきな…人探しやけん1人で大丈夫やろ?」

と、いつも通りに命令され一時の安らぎをあっさり阻害された。

僕は軽く所長を見て…

ちょっと役に立ちそうもない事を考慮して

「いや…1人で大丈夫ですよ」

そう返事して上着を取り事務所を出ていった。
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