短編集『明日になったら死ぬほど面白いコメディ思いつくかもしれない。』
斎藤「誰なんだよ」

みよ「永崎みよです」

斎藤「誰なんだよ」

みよ「さあ」

斎藤「さあ、って」

みよ「とにかく、死んじゃダメ!!」

斎藤「関係ないだろ」

みよ「あなた、コント作家でしょ」

斎藤「は?」

みよ「コント作家」

斎藤「違うよ」

みよ「違うの」

斎藤「違う、警備員さ。ただの。役に立たない、バイトさ。ただの」

みよ「卑下しないで!」

斎藤「声、おっきいよなぁ」

みよ「高校の頃は、コーラス部でした」

斎藤「聞いてない、ってな~」

みよ「あなたは、コント作家です」

斎藤「俺の何を知ってんだよ」

みよ「あなたは面白い作品を作るの。誰にも負けない」

斎藤「無理だ。俺には才能がないし、誰も待っちゃくれない」

みよ「わたしが待ってるわ。あなたには才能がある」

斎藤「だから、誰なんだよ」

みよ「永崎です」

斎藤「それはさっき聞いた」

みよ「未来から来たの」

斎藤「何を言い出すんだよ」

みよ「未来から」

斎藤「いつの未来だよ」

みよ「三億年の未来から」
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