旋律の百物語
今、由実は夏休み真っ最中。
 
しかも、三年生最後の夏休み。
 
休みが始まる以前から、すでにいくつかの予定は立てていた。
 
 
部屋に戻り、扇風機を付ける。
 
由実の部屋にはクーラーがないため、扇風機に頼るしかないのだ。
 
 
「あー、涼しいー…」
 
 
タオルで汗を拭きながら、由実は扇風機から流れる風を受けた。
 
そのとき、
 
 
~♪~♪~♪
 
 
ベッドの上で充電していたケータイが、音を立てて鳴った。
 
ディスプレイには『まゆちゃん』と表示されている。
 
 
「まゆちゃんだ、なんだろー」
 
 
由実は手を伸ばし、ケータイを掴んだ。
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