旋律の百物語

†弐†

「えっとー、何用意すればいっかな…」
 
 
由実は、クローゼットから、アクリル製のバッグを取り出した。
 
 
「水着、タオル、財布、ケータイ…あ、日焼け止めも持っていかなくちゃ」
 
 
由実の高校に、水泳の授業はない。
 
そのため、プールは一年ぶりだった。
 
 
「水着、水着…。あったあった」
 
 
支度でさえウキウキする。
 
まるで遠足を楽しみにしながら準備をしている小学生の気分だった。
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