桜色タイムカプセル
周りの女性たちは、おしゃれな着物に身を包んでいる。



私だってお父さんが帰ってこないと知っていたら、かいくんの隣で白色の着物を来ていたというのに。



少しお父さんを責めてみようかな。



「さくら。何かいいことあった?」



「え?なんで?」



「少し、嬉しそうな顔してるから」



心は誤魔化していても、やはり体は素直。



かいくんにまで見破られてしまうとは。



「お父さんが、5年前から単身赴任していたお父さんが帰ってきたの」



そう言ったら、かいくんは目を点にして驚いていた。
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