桜色タイムカプセル
軍手まではめて、傍から見ればこれから田植えに行く集団。



「説明早くしろよ。溝口」



「田宮、そこはまだ先生をつけなさい」



かいくんも忙しい中、突然集合に参加してくれた。



けど、その理由を一向に話さない先生に痺れを切らしたようだった。



「卒業制作です。お前ら、2人1組で植物の苗、1つ取っていけ」



「はあ??」



「植える場所はお前達で考えていいぞー。植え終わったやつから解散」



「あ、ちょっ、みっちゃん!?」



伝えることだけ伝えたら、先生は即座に職員室に逃げ去った。



校門前に勝手に集められて、勝手に置いていかれた私たちは、仕方なく苗を1つ選んで好きな場所に植えていく。
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