桜色タイムカプセル
しばらくすると、手の中で携帯が震えた。



「もしもし、かいくんっ!」



電話だった。



それもかいくんからの。



私に心配させた罰として、奢ってもらおうとしてたのに。



携帯から聞こえた声は、かいくんではなかった。



かいくんの実の姉、きい姉さんだった。



「……さくらちゃん。今すぐ近くの大きな病院に来て」



「きい、姉さん……?」



「お願い、あいつの無様な格好を笑いに来てよ」



きい姉さんの声は、少し震えていた。



私に隠そうとしていたのだろうけど、ダメだよきい姉さん。
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