桜色タイムカプセル
私は携帯をきり、ここから見える大きな総合病院まで走り出した。



11月下旬で、風邪も流行っていたせいで、待合室にはたくさんの人がいた。



「きい姉さんっ!」



かいくんのために履いた初めてのヒールが、取れようとがどうでもよかった。



今倒れても、いいと思った。



きい姉さんに連れられて入ったのは、病室でもなければ診察室でもなかった。



あまりは暗く、あまり人もいない。



聞こえるのは、すすり泣く人の声。
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