桜色タイムカプセル
部屋に横たわっている、白い服を着た人。



その人の顔には、白い布が被っていた。



その人の隣では、お母さんと同じ年齢の女性と男性が泣いていた。



私は顔に被さっていた布を、そっと半分に折った。



「……か、い、くん……?何やってんの……?」



きい姉さんは私の肩に手を乗せて、冷たい言葉を言い放った。



「居眠り運転のトラックと衝突、した、らしい……。不運な事故……、なんだっよ……」



きい姉さんは抑えきれずに、涙を流した。



嗚咽をあげて、涙を流した。
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