桜色タイムカプセル
私はぎゅっとかいくんの手を握った。



いつものかいくんでは感じられない、冷たさだった。



心の中まで冷たくなってしまったことを示していた。



「ねえ、かいくん……。こんなの、こんなの、おかしいよっ!!全っ然笑えないよ……?ドッキリ、なんでしょ?ねえ、かいくんっ!!返事をしてよ!!」



いくらかいくんの体を揺らしても、あの笑顔を見ることは出来なかった。



あの暖かい言葉は、聞こえなかった。



あの優しい手は、握ってくれなかった。



大好きなかいくんは、動かなかった。










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