桜色タイムカプセル
そんな私に、高橋くんはバイク用のヘルメットを被せた。



「飛ばしていくから。その涙、あいつに見せて先に逝ったことを後悔させてやれ」



「……うんっ!!」



私は大きく、首を振った。



かいくんの家に着くと、入り口前で待機していた谷口さんが私に抱きついてくる。



それもすぐに離して、私は家の奥まで、かいくんの眠る場所まで背中を押してくれた。



高橋くんは私の涙を、かいくんに見せて後悔させてやれって言ってくれた。



けど、私は泣かないよ。



かいくんの最期は、笑顔で送らなきゃ。



「かいくんは……、バカだねっ。私との約束2つも放ったらかしにしたんだから」
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