桜色タイムカプセル
今日最後の授業の時だった。



ぽたりぽたりと弱々しく落ちてきた雫が、ぽつぽつと地面を打つ強い雨に変わった。



「あ、雨だ……」



かいくんが転校してきてから、早2ヶ月半ころ。



クラスではかいくんがいて当たり前な風に変化した。



そして、お天気も変化してきました。



「梅雨入り、だね。かいくん」



私は隣の席のかいくんに、先生に聞こえないようにそっと言った。



「俺、傘持ってきてねー………」



当の本人は、傘を忘れたことでショックを受けていた。
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