桜色タイムカプセル
それから家に戻り、空柄の便箋を丁寧に開けていく。
──20歳になった俺へ。
相変わらずの殴り書きで、さっき引き締まったばかりの涙腺が少し緩まる。
20歳になった俺へ。
元気ですか?てか、元気だよな。
自分の志望校に行けて、好きな勉強が出来て、好きな女と笑って過ごせているか?
俺の将来は、もう決まっている。
教育免許を取って、高校の教師になって、そんで、好きなやつに告白する。
男ならしゃきっとしろよ、って話だけどよ。
高校ん時の俺には、あんな勇気なかったんだよ。
さくらに、告白する勇気なんか。
俺は多分、さくら以外の女、好きにならないだろう。
だから、今の俺がまださくらのことが好きで、さくらのことを大事だと思うんなら、さっさとコクっちまえ。
これを渡してよ。
そんじゃあ、勉強に恋愛に忙しいだろうけど、頑張れよ!俺
18歳の俺より
──20歳になった俺へ。
相変わらずの殴り書きで、さっき引き締まったばかりの涙腺が少し緩まる。
20歳になった俺へ。
元気ですか?てか、元気だよな。
自分の志望校に行けて、好きな勉強が出来て、好きな女と笑って過ごせているか?
俺の将来は、もう決まっている。
教育免許を取って、高校の教師になって、そんで、好きなやつに告白する。
男ならしゃきっとしろよ、って話だけどよ。
高校ん時の俺には、あんな勇気なかったんだよ。
さくらに、告白する勇気なんか。
俺は多分、さくら以外の女、好きにならないだろう。
だから、今の俺がまださくらのことが好きで、さくらのことを大事だと思うんなら、さっさとコクっちまえ。
これを渡してよ。
そんじゃあ、勉強に恋愛に忙しいだろうけど、頑張れよ!俺
18歳の俺より