桜色タイムカプセル
手紙と一緒に入っていたのは、シルバー色のリング。



それも、2つ。


取り出して裏を見ると、私は涙が止まらなかった。



嗚咽と共に、ずっとかいくんの名前を呼んでいた。



──I love you kukai&sakura



何よ、これ。



そしたら、私たちはずっと両思いだったの……?



今更後悔しても遅かった。



失って初めて気づく、大切な存在。



失って後悔する、自分のこと。



私は指環を、小刻みに震える自分の右手の小指をするりと付けた。
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