桜色タイムカプセル
かいくんの背後から、終わったオーラが漂っている……。



タイミングが良く、本日の学校終了を知らせるチャイムが鳴った。



委員長のシャキとした声が、教室に響き渡り私たちは背筋を正した。



「しゅーりょー!!帰っぞ」



さっきまでの暗さはどこへやら。



にかっとした笑顔で、かいくんは立ち上がりカバンを肩にかけた。



私はカバンから折りたたみ傘を取り出し、かいくんに渡した。



「女の子の柄でもいいのなら、傘あるよ」



「んなことしたら、さくらが」



私はかいくんの言葉を塞ぎ、笑ってみせた。
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