桜色タイムカプセル
私の髪をくしゃくしゃと弄んでから、かいくんは私から顔を背けた。



後ろ姿のかいくんは、とても冷静に見えた。



けど、耳をよーく見てみると、少しだけ赤くなっていて。



珍しいこともあるんだなー、と私は感心した。



「かいくん、照れてるでしょ?」



私は少しからかうような口調で言った。



「べ、別に照れてなんかねーし」



「噛んじゃってるじゃん!絶対照れてる」



「照れてない」



「照れてる!」



下駄箱の前で、ずっと照れてるとか、照れてないとか、言い合っていた。
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