桜色タイムカプセル
そんなことも2人で笑い合って、かいくんが私の腕を引っ張った。



「帰っぞ」



たった一言。



それでもそれは温かくて、優しかった。



「………うん」



小さな傘は私たちを包み、ゆっくりと動き出した。



こんな雨にも負けない明るい下校を創ってくれた。



私たちは帰り道でも、ずっと言い合っていた。



お互いの主張を一点張りして、見合わせて笑い合って。



こんな梅雨もかいくんのおかげで、こんなに楽しいのだって、初めて知ったんだ。
< 24 / 181 >

この作品をシェア

pagetop