桜色タイムカプセル
好きでもない私と、付き合う気がない私と変な冷やかしをたてられて。



「……ごめん。こんな私と冷やかされて」



私が謝っても、かいくんはずっと無言だった。



「私たち、本当は一緒にいてはいけなかったんだよ」



かいくんにはかいくんの華やかな生活があって、私には私の地味な生活がある。



私たちが交わることは、みんなにとって許されなかったんだよ。



黒板を消し終わった頃、担任が教室に入ってきた。



呆然と立っていたみんなも席につき、私はかいくんから逃げるようにして座った。
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