桜色タイムカプセル
「ここ、最近の俺のお気に入りの場所。静かで落ち着けるだろ?」



爽やかな風と、揺れる木々は心を穏やかにさせてくれる。



確かに落ち着ける場所だった。



「悪かった。さくらに八つ当たりしちまって」



「違う……、かいくんは何も悪くない!悪いのは、かいくんに近づいた私でっ……!」



「だからさ、俺言ったじゃん。さくらは自分の存在価値を下げすぎなんだって」



さっきよりも声色がきつくなっていた。



存在価値なんて下げていない。



私の価値は、それくらい低いんだよ。
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