桜色タイムカプセル
「転校生の紹介だ。入ってこい」



先生の一声で、前の扉から入ってきたのは真新しい制服に身を包んだ男性だった。



はじめましてのはずなのに、なぜか会ったことのある気がするような。



「あっ!!」



私は思い出した。



朝、ぶつかったあの人のことを。



「朝の人っ!!」



普段クラスで大人しい私が、こんなに大声をあげるなんて珍しいようで。



クラスのみんな、そして先生までもが私に注目していた。
< 4 / 181 >

この作品をシェア

pagetop