桜色タイムカプセル
食べていても、私たちの間に会話はなかった。



ごちそうさまでした。



何もなくなったお皿と、カップをおぼんにのせる。



食べ終わった時刻は、8時くらいだった。



「帰らなきゃ……」



せっかくだからおぼんを戻して、きー姉さんにお礼を言いたいな。



「送ってく」


「え?いいよ、すぐ近くだし。それにおぼん持って行ってきー姉さんにお礼を言いたいからさ」



床に置いていた参考書などをカバンの中に入れ、帰る支度をする。



「別に姉貴といつでも会えるし、行くぞ」



「え、かいくん!?」



デジャヴのような気がした。
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