桜色タイムカプセル
かいくんは私の腕を引き、おぼんを持ちながら階段を駆け下りる。



かいくん、意外と器用なんだね。



「さくら送ってくるから」



「あら、もう帰るの?さくらちゃんもまた来てね」



ちょうどくつろぎタイムの時間に、私たちは突入してしまったみたいだった。



きー姉さんはテレビに集中していた。



「きー姉さん、あの、ハーブティーとお菓子、ありがとうございました!」



「いいのいいの。空海がお客さん連れてくるのって結構珍しいからさ。それに私も楽しませてもらったし」



「もう、あれは忘れてください……」



テレビに集中しているのに、私たちの話はきちんと聞けている。
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