桜色タイムカプセル
彼はそのまま私の隣の席に座って、また豪快に笑った。



「ケガ、なかった?」



「あ、はい。こちらこそすみませんでした……」



彼はぶつかった自分のことよりも、倒れてしまった私のことを気にしてくれた。



なんだ、見かけによらず優しいのか。



少し印象が変わったかな。



「改めてだけど、1年間よろしくなっ」



手を差し出してきたかと思えば、強制的に私の手を握った。



「こ、こちらこそ、よろしくお願いしますっ……」



私がそう言うと、また彼は豪快に笑った。
< 6 / 181 >

この作品をシェア

pagetop