桜色タイムカプセル
私はひとりでに、うんうんと頷いた。



「それでは、迷路となった肝試し会場を脱出できた人がいける幻のメイド喫茶、という設定でいいですか?」



いいでーす、となんとも元気な返事が返ってきた。



そんな壮大な設定、この狭い教室でできるんですか……?



「で、ちなみに場所は………」



あ、もう決まってたんだね。



「生徒会長のコネで、ここのクラスと隣のクラスを借りることができましたー!」



わざわざ呼んでもいない我がクラスの生徒会長が、突然立ち上がりお辞儀をした。



みんなバラバラに、生徒会長に向けて拍手をする。
< 80 / 181 >

この作品をシェア

pagetop