キスから始まった恋【短編】
~大好きなキミに~
『おはよう!!』
『おーおは~!』
…はぁ。学校行きたくないな…。
あいさつが飛び交う中、葉月は一人そんな事を考えながら歩いていた。
「せ~んぱいっ!!おはよう!!」
「ッッ!!」
……さっそく会っちゃったし…
後ろを振り返らなくても、声だけで誰なのか分かってしまう自分がいやでたまらない。
それでもそいつは、能天気に話しかけてくる。
「葉月先輩?シカトですか~?」
「………」
あたしの名前を、よばないで…。
「お~い?はーづき先輩?」
「…………」
その、愛しいキミの声で、何度もあたしの名前を………よばないで。