それでも私は恋をする
臆病者になる
月曜日はなんとか拓海が部屋にくる前に起きれた。
手の方もなんとか絆創膏でいけるかと思ったけど……ダメだった。傷が大きい。絆創膏の大きいのってあるのかな? 今日はそれも買ってこよう。
果歩には寝る前にメールが来た。ウキウキで吉田君は試合に勝って明日からは一緒に勉強なの! なんてメールだった。だけど、最後に、デートどうだった? とやっぱい聞かないではいられなかったのかバッチリ拓海との初デートについて聞いてきた。まあ、楽しかったと素直にメールで送れた。本当に楽しかったしね。それにしても……拓海の言葉……俺……の続きなんだったんだろう? 気になるのに聞けない私。すっかり臆病者だね。あ、二年以上も臆病者だね。
*
「アリス! おはよう」
果歩朝から元気だね。やっぱりバスケ部観てるより吉田君と一緒に勉強のがテンション上がるね。
「おはよう」
「アリス。怒ってないの?」
「え?」
「ほーう。完全に楽しんだね。昨日」
あ! そうだった。ダブルデートなどする気もさらさらない果歩と吉田君にはめられたんだ! いや、拓海にも。
「そうだった! なんなのよあれは!」
「健太郎がね。安田君が元気なかったから心配してたんで、私が思いついたのよ! で、わざとそこで話をしたかに見せかけて」
「そこから芝居だったの」
手の混んだ芝居してまではめたけど……果歩ごめんなさい。私の気持ちは止められないよ。
「ごめん! でも、楽しかったんでしょ!」
「果歩もね」
「今日からなの!」
「メール見たしもう聞いた!」
またまた音符が飛び出してるよ果歩。
「いいじゃない! アリスも毎日安田君と勉強なんでしょ?」
「あ、うん」
「なに? 元気ないけど?」
「え? ううん。違う。私ももう受験生かあと思っただけだよ」
本当は勉強してるのは同居してるから……ラブラブな果歩とは違うんだと実感したからなんだけどね。言えないよ。
*
「安田君が来てるよ! もう心配でたまらないんだね。アリス!」
どうだろう。自分のせいで怪我したからだって思ってるだけだよ。
「じゃあ行くね」
「いってらさーい」
果歩なんかすっかり嬉しキャラだね。本当のこと知ったらめっちゃくちゃ怒られるんだろうな、私。
「ねー先生いないって! 来るのが早いってば」
そう保健室は確かに快適なんだけど、先生にいちいちイチャイチャとか言われるの少し辛いよ。本当はイチャイチャじゃないから。ニセモノなんだから。
「じゃあベンチ?」
「もう! 問題はそこじゃない! 来る時間だって!」
「じゃあ保健室ね」
人の言うことを聞かない人はこういう人の事を言うんだね。全く!
またまた保健室で拓海がテープを剥がす。昨日とそんなに変わってないって。あ、昨日は母に巻いてもらったんだ。でも、拓海って意外と心配性なのかな?
ああ、そうだ今日は絆創膏でいけるかちゃんと自分の傷を見とかないと。おお! ザックリがサックリくらいかな……あ、ザックリ思い出して気分悪くなってきた。
「え? アリス?」
「ごめん。ちょっと胸借りる」
どんだけ傷に弱いんだ私は。拓海の胸の中は相変わらず心地いい。あー、ずっとここにこうしていたいよ。また叶わぬ願いを思う私。バカな私。
ガラガラ
「またか!」
またです。はい。先生。
イチャイチャとかなんたらかんたら、言葉をなくしたのは一瞬だった保健室の先生は今度は別のアイテムを出して来た。テープにガーゼが貼ってる、まさに大きな絆創膏! これいいです。先生! あ、そうか、これで済むってことはここに来る必要もないってことか……。
先生にお礼を言って保健室を出る。
手の方もなんとか絆創膏でいけるかと思ったけど……ダメだった。傷が大きい。絆創膏の大きいのってあるのかな? 今日はそれも買ってこよう。
果歩には寝る前にメールが来た。ウキウキで吉田君は試合に勝って明日からは一緒に勉強なの! なんてメールだった。だけど、最後に、デートどうだった? とやっぱい聞かないではいられなかったのかバッチリ拓海との初デートについて聞いてきた。まあ、楽しかったと素直にメールで送れた。本当に楽しかったしね。それにしても……拓海の言葉……俺……の続きなんだったんだろう? 気になるのに聞けない私。すっかり臆病者だね。あ、二年以上も臆病者だね。
*
「アリス! おはよう」
果歩朝から元気だね。やっぱりバスケ部観てるより吉田君と一緒に勉強のがテンション上がるね。
「おはよう」
「アリス。怒ってないの?」
「え?」
「ほーう。完全に楽しんだね。昨日」
あ! そうだった。ダブルデートなどする気もさらさらない果歩と吉田君にはめられたんだ! いや、拓海にも。
「そうだった! なんなのよあれは!」
「健太郎がね。安田君が元気なかったから心配してたんで、私が思いついたのよ! で、わざとそこで話をしたかに見せかけて」
「そこから芝居だったの」
手の混んだ芝居してまではめたけど……果歩ごめんなさい。私の気持ちは止められないよ。
「ごめん! でも、楽しかったんでしょ!」
「果歩もね」
「今日からなの!」
「メール見たしもう聞いた!」
またまた音符が飛び出してるよ果歩。
「いいじゃない! アリスも毎日安田君と勉強なんでしょ?」
「あ、うん」
「なに? 元気ないけど?」
「え? ううん。違う。私ももう受験生かあと思っただけだよ」
本当は勉強してるのは同居してるから……ラブラブな果歩とは違うんだと実感したからなんだけどね。言えないよ。
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「安田君が来てるよ! もう心配でたまらないんだね。アリス!」
どうだろう。自分のせいで怪我したからだって思ってるだけだよ。
「じゃあ行くね」
「いってらさーい」
果歩なんかすっかり嬉しキャラだね。本当のこと知ったらめっちゃくちゃ怒られるんだろうな、私。
「ねー先生いないって! 来るのが早いってば」
そう保健室は確かに快適なんだけど、先生にいちいちイチャイチャとか言われるの少し辛いよ。本当はイチャイチャじゃないから。ニセモノなんだから。
「じゃあベンチ?」
「もう! 問題はそこじゃない! 来る時間だって!」
「じゃあ保健室ね」
人の言うことを聞かない人はこういう人の事を言うんだね。全く!
またまた保健室で拓海がテープを剥がす。昨日とそんなに変わってないって。あ、昨日は母に巻いてもらったんだ。でも、拓海って意外と心配性なのかな?
ああ、そうだ今日は絆創膏でいけるかちゃんと自分の傷を見とかないと。おお! ザックリがサックリくらいかな……あ、ザックリ思い出して気分悪くなってきた。
「え? アリス?」
「ごめん。ちょっと胸借りる」
どんだけ傷に弱いんだ私は。拓海の胸の中は相変わらず心地いい。あー、ずっとここにこうしていたいよ。また叶わぬ願いを思う私。バカな私。
ガラガラ
「またか!」
またです。はい。先生。
イチャイチャとかなんたらかんたら、言葉をなくしたのは一瞬だった保健室の先生は今度は別のアイテムを出して来た。テープにガーゼが貼ってる、まさに大きな絆創膏! これいいです。先生! あ、そうか、これで済むってことはここに来る必要もないってことか……。
先生にお礼を言って保健室を出る。