bitter days



それから約束はしてなかったけど、部活後の図書室で会うのが日課になって。俺もそれが楽しみで部活も今まで以上に頑張れたし、初めて会ってから1か月経つ頃には自分の気持ちに気がついてた。








「立花、俺、お前のこと、好きだわ。」


隠しておくのが耐えきれなくなって、つい伝えてしまったある日の放課後。2人でいつもの定位置に座っている時で、立花の表情がよく見えた。

言ったときの立花の顔はそりゃもう真っ赤で。返事を聞く前に思わず吹き出した。


「な、そんなに笑わなくたっていいじゃない・・・!


告白されたのなんて、初めてなんだから・・・」


最後の方はぼそぼそ話すもんだからほとんど聞き取れないくらいだった。


「んで、返事は?」


俺が立花の顔を覗き込みながら尋ねると、立花は一度視線を下げた後、しっかり俺の目を見返して、


「私も、好き。」


ただそれだけ言った。


両想いって分かった瞬間の喜びと言ったら、なんて表現したらいいのか。
普段あまり感情が表に出ないことは自分でも自覚しているけど、このときばかりはにやけているだろうことが分かった。


真っ赤な顔の立花の手を取った。


「これから、よろしくな。」








< 11 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop