bitter days
次の日学校に着くと、なんだか教室内が騒がしかった。なんだ?こんな朝っぱらから。
教室内に一歩踏み出すと、みんなの視線が集まる。女子に見られるのは確かにあるけど、今日は男子も見てくるもんだから、何事かと思考を巡らす。
「修也、ちょっと。」
戸惑って教室の入り口に立ち尽くしていた俺のところに来たのは仁。仁は俺の背中を押して、教室から出るように促した。連れていかれたのは教室のある廊下の端っこ。
仁の表情を見る限り、あまりいいことではなさそうだ。
「お前、立花と付き合ってるのか?」
仁に言われた一言で、すべてを悟った。
ああ、バレたのか、って。
俺が何も言わないことを肯定と受け取ったらしい仁は、はあとため息をついてこめかみに手を当てた。
「昨日、図書室から2人が出てきてるところを見てたやつがいるみたいで、付き合ってるんじゃないかってすごい噂されてる。すごい仲良さそうだったから、これは確定だ、とか言って。」
出てくるところを見られたなら、仕方ない。立花は隠したがってたけど、俺はバレても問題ないし。
「立花と、付き合ってる。教えてくれてサンキュ。
あとは自分でなんとかするわ。」
仁の肩をぽんと叩いて、先に教室に戻った。