bitter days
教室に戻った俺が目にしたものは。立花がクラスの女子に囲まれているところだった。
「ちょっと、どうなのよ?本当のこと言ったら?」
「あんたと高橋くんなんて、釣り合わないのよ!」
「黙ってるってことは、本当に付き合ってるの?!」
囲まれて酷いことを一方的に言われている立花を見て、我慢出来なくなった。
ごめん、立花。俺はお前との約束を破るよ。
「付き合ってるよ。だから、立花のことを酷く言うのは、俺が許さない。」
立花を囲んでるやつらに近づき、そう言い放った。それを聞いた女子は信じられないという顔をして、今度は俺に詰め寄った。
「高橋くん、どうして!?」
「なんでこんな冴えない立花なの!?」
冴えないとか、お前らに何が分かるんだよ。
俺は立花のことを好きな気持ちさえも汚された気がして、猛烈な怒りを感じた。
目の前の女子を殴りたくなる衝動を必死に抑える。
「あのな、」
「付き合って、ないから!!」
突然聞こえた声に、耳を疑う。
だって、それを言ったのは、立花だったから。