bitter days



私があの時感じた通り、郁とはすごく気が合った。郁は見た目と違ってすごくサバサバしていて、付き合いやすかった。それに意外なことに、



「郁、今まで彼氏いたことないとかまじ?」


「だからほんとだって言ってるじゃん。悲しいんだから何回も言わせないでよ。」


ある日の昼休み、私たちにしては珍しく、恋バナをしていた時に、郁に彼氏がいたことがないという衝撃の事実が発覚したのだ。このルックスでいないとか、なんで?


「なんで?興味ないの?」


「うーん、興味ないってのもあるけど、少女漫画好きでさ、今は読んでるだけで楽しいんだよね。
それに家のことも結構忙しいから、彼氏出来てもあんまり時間取れないと思うし。」


「なるほどねえ。」


郁の話を聞けば、確かになあと思った。郁のお母さんは病気がちで家にいることが少ないから、家事のほとんどを郁がしているらしい。そうなると、恋愛とかしている暇ないよなあと思う。



「んで、奈美は?」


「ん、いるけど?」





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