bitter days



教室の戸が開いたのでチラリと上目で確認すると、郁が戻ってきたところだった。
私は目だけでなく顔もあげて郁を迎え入れた。


「おかえり。今日もやってやった?」



そうニヤリとしながら郁に尋ねると、郁もニヤリと笑った。
ニヤリ、というか、ふにゃり、と。あれ、なんか反応が違う?



「えっと、OKした。」



「・・・」



「あれ?奈美?」



「・・・」



「おーい。」



「・・・ごめん、ちょっと、時間ください。」



ふうと息を一つ吐いて気持ちを落ち着かせた。


いや、全く落ち着かないんですけどね。




< 28 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop