bitter days
初めて彼氏が出来て以来、郁は変わった。
表面上は何も変わらない。でも、男の子との付き合いを軽くするようになった。
「今度は、先輩?」
「そうー」
「・・・今度こそ、上手くいくといいね。」
「はあ。」
「ちょっと、なに、修也。」
「・・・いや、なんも。」
初めて澤野くんと付き合ってから、これでもう5人目だ。澤野くんとは2か月ともたなかった。
郁は「なんか付き合うのがよくわかんなくて」なんて言っていたけど、それはただ単に本気になる気がないからだ。
分かっていても、郁が選んだことだし、それに、今度こそ郁を変えてくれる人がいるかもって思ったら口出し出来なくて。
それに、郁に嫌われることが怖くて踏み込めない私じゃ、郁を立ち直らせることが出来ない。
2年から同じクラスになった高橋 修也とちょっといろいろあってなぜか仲良くなり、今日のお昼休みも3人で少し話をしていたところで、修也を横目でじとと睨んだ郁に修也がごつんと鉄拳をくらわせたところだった。
なんでこんなことになったのかというと。