bitter days




そんなことがあったからクラス替えの表を見た時には驚いた。


「ちょ、郁!高橋くんと同じクラスだよ!」


「うっそ!どうしよう~ネチネチと根に持ってたら」



幸い私たちの席からは遠かったので、常に関わらないといけないという訳ではなかったが、係りでノートを集めなくちゃいけない時やプリントを集める時とかが大変だった。

私や郁が高橋くんの近くに行くと、目線も合わせずにノートを差し出してくる。


そんなことが2か月続いた時、ついに郁がキレた。







いきなりシーンと静まる教室。それもそうだ。授業の間の休憩時間に、郁が高橋くんの机をバンと思いっきり叩いたから。
ぱっと見た限り、郁がノートを集めていたんだろう。高橋くんの机の上に今まで集めてきたノートが積み上げられている。


「ちょっと、いつまで根に持ってるのよ。言いたいことあるなら言いなさいよ。」



郁がキレると思ってなかっただろう、高橋くんはぽかんと郁の顔を見上げていて。郁のすごい剣幕に圧倒されているようだった。


「そりゃ、あるけど、」


「あるなら言ったらいいじゃない。」



郁の畳みかけるような言い方に、高橋くんもスイッチが入ったようで、


「つーか、覗き見するようなやつに偉そうなこと言われたくねえし。」


「やっぱり根に持ってたのね・・・!」



どこまでこの攻防が続くのかと思いきや、次の授業開始のチャイムが鳴り、言い合いは一旦終了となった。








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